#35  「さらダ宣言!」

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~ 「さらダ宣言!」 ~
SI Object Browserの15周年にあたり、「さらダ宣言!」というキャンペーンを開始します。これは、サラダからイメージされるような「健康的な生産性の高いエンジニアを増やそう!」という意味も込められていますが、本当の意味は、さらば、ダサダサ開発!”というフレーズのキャッチで、何年たっても合理化に背を向けているIT業界自身に対する呼びかけでもあります。

どんな業界でも合理化しなければ生き残れません。IT業界は、さまざまな分野の合理化を推進する役目を担っていると自負していますし、1月のメルマガ「一番嬉しいお客様の声は」で書いたようにIT企業の社会貢献はここにあると思って働いています。

しかし、どうしたものかIT業界は自分たち自身の効率化・合理化には関心が薄いようです。相変わらず手作業主体の人海戦術でモノを作っていますし、教育にしても徒弟制度中心でなかなか人を育てられていません。私はこの原因として、常駐・派遣主体だったため先行投資で合理化する文化が根付いていない、職人の世界だったため保守的な思想が強く改善マインドが軽視される、という2点があるのではと思っています。

でも、さすがに時代は変わりつつあります。開発ツール、開発支援ツール、プロジェクト管理ツールなど、さまざまなジャンルで良いツールが登場し、ソフトウェア業界を近代化しようという機運が高まっています。そのパワーを結集して一歩進めようと企画したのが「さらダ宣言!」です。「当社も宣言しました」「うちも宣言します」というようにIT業界各社が「さらダ宣言!」をして、業界全体の合理化を飛躍的に進める1年にできたらすばらしいことです。

とりあえずは当社の企画でスタートしましたが、こうしたツールを世の中に送り出すベンダー各社の賛同を得て、業界全体のキャッチフレーズにしようと考えています。趣旨に賛同していただけそうな企業の方は、ぜひ、ご連絡をください。一緒にIT業界の改革を目指していきましょう。

「さらダ宣言!」とは?:http://www.sint.co.jp/products/siob/

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梅田弘之の 「グラス片手にビジネスを考える」
~ 「新製品開発時に他社製品を調査しない暴挙?」 ~
この4月から何年かぶりに営業活動をやり始めました。自ら作った製品を自ら売り込みにまわる、そんなベンチャーの社長らしいことを久しぶりにやっって、結構手応えを感じながら「これこれ、こんな感じが大事なんだよな!」って忘れかけていた充実感を味わっています。

こうして客先をまわるメリットは、売上の拡大がもちろん第一なのですが、ユーザーニーズを製品にフィードバックできるのも大きいです。実は私は新製品を開発する際に、競合製品を調査したり比較したりしません。そんなの面倒くさいって思う性分もあるのですが、他の製品を見ると、それに引きずられて自分のコンセプトが揺らぐ恐れがあると考えているからです。

そんな自分の唯一の先生はユーザーです。新規に制作する際は、「自分がユーザーだったら…」と何百回も置き換えて考え、出来た製品に対してはユーザーの要望や質問がさらなる改良のヒントとなります。

バージョンが上がり、製品コンセプトがゆるぎない形で実装できた時点になって、ようやく他社製品を見ることがあります。その頃には、もう、これでどうだっていう確固たる自信があるからでもありますが、そろそろアイデアが枯渇して他製品に学ぼうっていう謙虚な気持ちが出てくる時期でもあります。

そうやって、開発後何年か後に初めて他社製品を見ると、「おお!」っと驚くような良さがあったりして、そういう部分を自分なりのイメージでさらなるバージョンアップに使わせてもらいます。最初から見ていれば…と後悔することもありますが、たぶん最初から見ていないからこそ今の製品があるのだと信じています。

そんなふうに後悔の念が湧いたときには、次のように自分を説得します。ベテランのみなさんなら、部下の社外文章をチェックして直してあげることがありますね。そのとき、元の文章がひどいと、どうしても直すのに時間がかかりますし、出来上がりの文章がどうも納得いきません。「こんなことなら自分で一から書いた方がよっぽど早いし、内容もいいのに…」、そんな思いを製品開発でしないためなんだと。

文書は部下の育成のために我慢するしかないでしょう。でも、製品開発に関しては欧米のアイデアや製品を真似したような製品は作らないでオリジナリティで勝負しよう、これからもそう思ってやっていこうと思っています(部下の製品企画力育成が別の課題とはなっていますが…)。