#18 「及び腰の政策で成功するだろうか?」

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~ 「及び腰の政策で成功するだろうか?」 ~
11月17日付けで恒川システム(上海)社との資本提携を含む業務提携の発表をおこないました。ECパッケージ「SI Web Shopping」や開発支援ツール「SI Object Browser」シリーズなどの中国語版製品を、本腰を入れて中国国内に販売するため、恒川システムさんを拠点として展開して行く方針を明確にしました。

今、“本腰”という言葉を使いましたが、正直なところ安全政策を取っている面はあります。本当に“本腰”というなら子会社(独資)を設立するでしょうし、出張所を出す手もあります。そういう積極策に比べると、“少し資本参加してそこを拠点に”というやり方は“及び腰”かなって思うところもあります。

ただ、私は最初に入った東芝、その次の住商情報システムのどちらにおいても、海外に設立した子会社の赤字負担が深刻な問題となってゆくのを横で見て育っています。子会社設立は固定費が毎月かかり、かつ一度やりだしたら費用は徐々に膨らむ傾向にありますので、そうしたリスクを避けた形でスタートし、光明がはっきり見えた時点でさらに“本腰”を入れる慎重策も有りかと。

赤字覚悟で子会社を設立した場合は、何年か後には成功して「やって良かった」と思う場面が来ます(それ以上に断念して撤退する方が多いでしょうが)。“及び腰”でやった場合にも、果たしてそういう成功が有り得るのか。そんな迷いも少しはあるのですが、恒川システム社との相互信頼と密連携により解決できるはず。そんな信念を持って中国展開に取り組んで行こうと思っています(まあ、オラクルやベンツだって最初は代理店販売からスタートしていましたし…)。

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梅田弘之の 「グラス片手にビジネスを考える」
~ 「今こそオフショア? 鈍感タイプの二番目戦略」 ~
新し物好きな人の人生って、いろいろな物事に興味を持ち、いつもわくわくして楽しいのだろうと想像します。我々の業界なんかは日進月歩で新しい技術革新が飛び込んでくるので、そういう人はつくづく向いているのだろうと。私なんかは奥手(おくて)なので、例えばSaaSという言葉が登場したと思ったら、クラウドだ、PaaSだ、IaaSだ、HaaSだ、などと出てきて目が回りそうです(みなさん、違いわかりますか?)。

買い物にしてもそうです。例えばiPodやiPhone、最初に上陸したときに並んででも買おうって人がいますね。そして、それがニュースになって世間に広まり初期ブームとなる。こんな流れの中で社員の何人かは初期モデルを購入しています。私の場合はあえて(情報が遅いから?)初期モデルが終わって、次のモデルかその次のモデルが出た頃に買います。その頃になると性能は抜群に良くなり、価格も安くなるのでコストパフォーマンスが断然違いますから。新し物好きな人にとってみれば、「そんな人生何が楽しい?」ってところでしょうね。

さて、ビジネスの世界ではどっちがいいでしょうか。私が東芝に入った頃は、東芝は新しい技術を開発するけれど、いつも松下電器が真似して成功させるって悔しがっていました(負け惜しみ?)。そのあとだとソニーやシャープが先駆的イメージでしたね。今ならgoogleが“世界に先駆けて”何かをやり、マイクロソフトがキャッチアップ型の代表でしょうか。

当社の場合、新パッケージの企画は前者と思っています。でも、オフショア開発に関しては完全に後者であり、今頃になって「そろそろやってみようか」と思っています。それも“新し物好き”な企業が「もう中国じゃない、これからはインドだベトナムだ」と言い始めた今が、中国へのオフショア開発に良い時期なんだと。先人たちの苦労や失敗の結果、技術や相互理解が格段に上がり、今ならきっとうまく行くはずと思っているのですが、甘いかな?