#6 「新製品リリースの期待と不安」

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~ 「新製品リリースの期待と不安」 ~
パッケージビジネスは戦いながらゴール(デファクトスタンダード)を目指すロールプレイングゲームに似ています。勝ち続けて勢力を増してゆくには2通りの方法があります。1つは自分自身が強くなること、これはバージョンアップで機能強化することですね。で、もう1つが仲間を増やすこと、これがラインナップを増やして対象市場を広げることです。12月10日に開発支援ツール「SI Object Browser」のSQL Server版を発売しますが、このリリースがまさに後者の戦略です。オラクル市場での成功を元に、マイクロソフト市場向けの製品を投入するわけです。

今回のSQL Server版は、純正品との戦いでもあります。OracleではEnterprise Managerという純正ツールが付属しているにも関わらす、多くのエンジニアが購入してくれました。SQL ServerにもManagementStudioという純正ツールが付属しているのですが、果たして同じように選んでくれるでしょうか。新製品リリースの際は、いつも不安と期待が入り混じります。

上司が購入を許可するには“生産性向上”しかありません。無償の純正品がありながらわざわざ有料ツールを使うのは、投資金額以上に生産性向上メリットがなければなりません。”ソフトウェア開発の近代化”のためには、積極的に合理化ツールを投資すべきと心底思っているし、本ツールは十分投資価値があると思っているのですが、果たしてこの景気後退期に決断してくれるでしょうか。やっぱり新製品リリース時は、不安と期待が繰り返し浮かんできます。

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梅田弘之の 「グラス片手にビジネスを考える」
~ 「不況はチャンス」は本当か? ~
今年になってから加速度的にこの業界にも景気後退の波が押し寄せてきました。こうした不況の際は、経費を抑えてじっと防御の姿勢を取る事が大切なのですが、一方で”不況はチャンス”という発言もよく耳にします。

経済環境の悪化をどう乗り切るか懸命になっている立場からすると、そんな言葉は第三者の机上論とも感じます。しかし、ふと逆を考えてみるとまんざら”きれいごと”でもないと気づきました。

逆というのは、好景気でいけいけどんどんの状況です。そんなときは、いろいろなことに対して積極的に投資している状況でしょうが、やり過ぎると後で痛い目を見るのはみなさんご存知の通りです。景気は波がありますので、たとえ絶好調でもある程度は抑えるという冷静な判断も必要なのですね。ということは、逆に景気が悪く不調だからといって、何もかも抑えるという姿勢も正しくないと言えます。いたずらに売上を伸ばそうと焦ってばかりいても仕方ありません。絶好調のときは忙しすぎてできなかった改善活動、次のビジネスの種作り、良い人材の採用や社員の育成・教育、業務の合理化・効率化…そう考えてみるといろいろとやるべきことがあります。これは会社でも個人でも一緒ですので、一度、今何をすべきかを考えてみたらいかがでしょうか。