#5 「統合のメリットを再び世に問う」

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~ 「統合のメリットを再び世に問う」 ~
Web-ERPの構想を掲げて「GRANDIT」を作り始めたのが5年前、私自身はそれ以来の久しぶりに新規パッケージソフト制作を手がけました。約1年間の開発期間を経てこの11月4日に販売開始した製品が、総合プロジェクト管理システム「SI Object Browser PM」。自社の失敗プロジェクトを削減する抜本的対策にという一念で精魂かけて開発しました。もちろん汎用的なパッケージとして製作したので、IT業界全体の近代化促進の起爆剤となることも夢見ています。

本ソフトの特徴は、「PMBOK」の9管理エリア全てを統合型でカバーしていることです。これまで“タイム管理”や“コスト管理”、“品質管理”など個別のツールはありましたが、それらをトータルでカバーした総合的なものは本ソフトが初めてだと思います。

“統合”視点で考えるメリットは、データの重複登録がなく多面的にデータの整合性を図れることです。今回、データの関連性を整理して設計しながら、ふと感じたデジャヴ、それは20年前にERP「ProActive」を初めて作ったときの記憶でした。個別業務パッケージしかなかった時代にERPを作った際に感じた気付きと興奮、それと同じ発見と高揚を企画・設計中に覚えたのです。統合のメリットは非常に大きいし、進行基準対応やCMMIレベル向上などの市場ニーズも広がっているので、当社の新しい事業の柱になってくれると期待しています。

デジャヴといえば、ERPの普及活動は「ウチの業務は特殊だから・・・」という人たちとの戦いの歴史でもありました。今回、また一から「ウチにはウチのプロジェクト管理のやり方があるから・・・」という人たちと熱い議論を戦わして行くことになります。本当は業務システムよりずっと普遍的な正解があるので、それを根気よく伝えて行きたいと思います。

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梅田弘之の 「グラス片手にビジネスを考える」
~ 「パッケージビジネスの特性と落とし穴 」~
「パッケージソフトで本当に儲かるのはバージョン3.0から」。これは20年近くパッケージビジネスをやってきた私なりの1つの考えです。車や電気製品は新発売の時が一番売れて徐々に売上が落ちていきますが、ソフトウェアの場合は発売後にじわじわっとユーザーが広がって2年後くらいにようやく大きな成果となります。

この理由は、評判や知名度が広がるのに時間がかかることもありますが、製品自身がユーザーニーズを反映しながら改良を続け、2回くらいバージョンアップした頃に本当に良い製品になるからです。

この特性をふまえておくと、製品作りや販売戦略も長期的なビジョンになります。製品つくりの場合は“背骨美人”、“性格美人”を心がけること。最初からあれもこれもと欲張っても世に出ればいろいろなことに気付かされます。本当に大切な部分をしっかりと作っておけば、どんどん良い方向に成長してくれるのです。

ようやく売れて大きな果実となった後にもいろいろな落とし穴があります。その1つがメジャーバージョンアップの失敗。改良を続けて“見た目美人”に磨きをかけた製品も、その頃になると背骨も性格もだいぶゆがんで、ベース技術は古くなり、コードはぐしゃぐしゃという状況になります。そこで、また1から作り直そうと最初よりはるかに多い金額でフルモデルチェンジを行うのですが、注意すべきは開発メンバー構成です。全くの新メンバーだけで開発を行ってしまうと、長い間改良してきたこまかな長所が踏襲されずブスに戻ってしまいます。また、前製品の否定から入ってしまい、変える必要のない部分も変えて悪くしてしまうケースもあります。

メジャーバージョンアップは、その後の数年を勝ち抜くために必要な大手術ですが、大きな投資とリスクを伴います。実際、失敗してビジネスを急落下させてしまった例をいくつも見てきました。これまでの成功に慣れて安易に行うのではなく、バージョン1を作るときと同じ真剣さと情熱を持って新しい開発メンバーを支援してゆかなければとつくづく思います。