#44 「ファブレスという形態で勝負する以上は、システムにお金をかけるべき」

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~「ファブレスという形態で勝負する以上は、システムにお金をかけるべき」~
大建プラスチックス株式会社様が、Web-ERP「GRANDIT」の事例に登場してくださいました。こちらの会社は、建築金物のファブレスメーカーで、まだファブレスという言葉が生まれるはるか昔の昭和8年からずっとこの形態でやっているファブレス企業の草分け的存在です。

今回の事例は、私自身が初めてインタビューアと文書を担当しました。お客様がERP導入を決意した理由や苦労した点などを直接お聞きしたのですが、自分で直接インタビューをするとこんなにもいろいろなことが見えてくるのかと新たな発見をしました。

ということは、逆にインタビューをまとめて多くの方に読んでいただく際に、その発見や驚きが減衰して伝わってしまうわけです。なので、うまくエッセンスを抜き出して事例にまとめるのに神経を使いました。

私が特に知りたかったのは、従業員100名ほどの会社がGRANDITのような中堅ERPを導入しようと決断した理由です。それに対する加來社長の回答は、「当社はファブレスメーカーですので、人と製品、情報が財産です。人を育て、製品企画や在庫管理を徹底し、サービスを充実する、そのためには実現するための仕組みが必要です。当社がファブレスという形態で勝負する以上は、システムにお金をかけるべきだと考えています。」ときっぱりとしていて、その信念に感嘆しました。

まさに、前号のトピックスのテーマ「決断して実行した会社だけが成果を勝ち取れる」を地で行く企業です。

インタビュー事例は下記ページに掲載しています。ERP導入に至った経緯や課題、成果など他社にとっても非常にためになるお話しですのでよろしければご覧ください。
http://www.sint.co.jp/products/grandit/cs/cs_dp.html

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梅田弘之の 「グラス片手にビジネスを考える」
~ 「時間を奪うコンテンツと時間を与えるサービス」 ~
最近、SNSの世界で「時間を奪うコンテンツ」と「時間を与えるサービス」のどちらを創出するかという話題が盛り上がりました。私は後者にこだわった製品開発をしているのですが、せっかく与えた時間を「時間を奪うコンテンツ」にどんどん食われているなぁってふと思ってしまいました(悔しいことに収益面でも負けています)。

この部分は、何のために働くかというソフトウェア企業のCSRにも関わる部分なので、簡単には引き下がれません。ハードの世界で掃除機や洗濯機が人々に時間を与えたように、ソフトウェアで仕事を効率化して長時間労働から解放させるのが私達なりのCSRです。

掃除機や洗濯機はBtoC製品ですね。当社で言えば、「SI Web Shopping」はBtoC型の“時間を与えるサービス”です。このところ寒かったのでネットスーパーの売上がアップしたそうですが、ECで買い物にかかる時間が大幅に節約できていると思います。一方、「GRANDIT」や「SI Object Browser」シリーズはB to B型で、企業内の手作業を激減して合理化を果たしています。当社自身もこれらをフル活用しており、一般企業に比べてかなり効率化できている自負があります。

もう一度考えてみると、洗濯機や掃除機で与えた時間は、テレビやビデオを見る時間を増やしました。我々のソフトで早く帰宅できた分がゲームやSNSをする時間に回る図式も、そう考えると仕方がないようにも思えます。でも、最近の日本ではテレビがダメで白物家電が稼いでいるってことなので、そんなニュースを励みに、これからも“時間を与える側”にこだわって製品開発をしていきたいと思っています。