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~ 「クラウド時代に向けた技術のキャッチアップ」 ~
クラウド時代の幕開けから3年、クラウド市場が急成長を続ける中、もうバズワードだと言う人もさすがに少なくなってきたようです。長くIT業界に身を置いている人は、オフコンからクラサバ、クラサバからインターネットというような大きな地殻変動があったときに、タイムリーに対応できなかった企業の衰退を見ています。そのため、危機感を持ちながらも、新たなビジネスチャンスにつなげようと取り組んでいる人が多いようです。
時代がハードからソフト、そしてサービスへと移る中、当社のビジネスも「パッケージを作って販売する」というソフト販売業態から「クラウド上のサービスとして提供する」というサービス提供型のビジネスモデルへの転換が迫られています。
当社のパッケージはエンタープライズ(企業)向けなのですが、この分野は、まだソーシャル系ほどクラウド市場が爆発していません。また、新規にアプリケーションを作るのではなく、既存パッケージソフトウェアをクラウド上のサービスに載せることになるので、既存資産を活かせるメリットと活かさなければならないデメリットもあります。
例えば当社のECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」はデータベースにOracleを採用しています。クラウドなら「KVS」を使う方がコスト削減できるのですが、既存のアプリケーションを全面的に書き換える必要が生じるのでちょっとやりにくい。Oracleをそのままクラウド上に置くとコストアップになるし…、ということでPostgreSQLやMySQLなどのフリーのRDBMSに変えることになります。
また、エンタープライズ向けアプリケーションは、さまざまなシステムが連携・統合しています。このため一部をクラウドに移行したとしても、社内にある既存システム(オンプレミス)と連携した状態で運用・保守できなければなりません。
当社の開発支援ツール「SI Object Browser」シリーズは、このような変化に対応しています。その1つがデータモデリングツール「SI Object Brower ER」のフリーデータベース対応。OracleやSQL Serverなどの商用データベースだけでなくPostgreSQLやMySQLなどフリーのデータベースをサポートし、RDBMSの移行ツールとしても使えるようにしています。
もう1つがクラウド上のデータベース対応。第一弾として「SI Object Browser」をマイクロソフトSQL Azureに対応し、オンプレミスからクラウドへの移行、オンプレミスとクラウドのハイブリッド型システムでもきちんと使えるツールとしています。
11月15日に、このあたりの技術動向を中心にした「データベースの戦闘力」セミナーを品川で開催します。PostgreSQLの商用版「エンタープライズDB」やSQL Azureに対応した「SI Object Brower for SQL Server」の最新バージョンなどをご紹介しますので、よろしければエンジニアの方々にご案内していただければと思います。
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梅田弘之の 「グラス片手にビジネスを考える」
~ 「これが限界という声から始まる次のラウンド」 ~
アプリケーションソフトは、パフォーマンスとの果てなき戦いです。最初からパフォーマンスを考慮して作り、テストしたつもりでも、世の中に出してみると「遅い」と言われる場面が生じます。また、最初は大丈夫だったものが、適用規模が大きくなるにつれて「遅い」と叱られます。
そして、そのパフォーマンス要件を満たすようにあれこれ改良しても、やれやれと一息つく間もなく、さらに大規模への適用が増えてきて再び問題が発生します。こうして際限なく高まるパフォーマンスニーズにひたすら追従し続けるのは大変ですが、パッケージビジネスの醍醐味でもあります。
この向上サイクルにおいてパフォーマンス要件をぶつけると、エンジニアは「これが限界です!」と言います。ここまで様々な工夫・改良したのにもう余地がないと本人が思うのももっともです。しかし、市場ニーズがそこにある限り「無理」と言ってお手上げになるわけにはいきません。不思議なもので、さすがにもう限界かと思っても、前向きに取り組んでみるとまだまだ改善できるのもパフォーマンスなのです。
ジェンガ(積み木ゲーム)のように、もうこれ以上は無理って思ってもさらに行けるのはコストも同じです。「乾いた雑巾をさらに絞る」という例えがあるように、製造業はそうしたたゆまぬ努力で国際競争力を勝ち取って来ています。この優良産業を手本にしない手はありません。「これって製造業だとこういうことだよなぁ…」と考えてみると、まだまだ社内で企業や製品のコスト削減に対する取り組みが甘いことが見えてきます。