#40  「ソフトウェアの良さを伝える手段は」

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~ 「ソフトウェアの良さを伝える手段は」 ~
「比較表があったら見せてくれ」、お客様からときどきこういうリクエストを受けます。ソフトウェアは写真や外観で比較できないし、ハードウェアに比べて機能が豊富かつ複雑なので、似たようなソフトの中からベストを見つけるのは相当難しいからでしょう。

しかしながら、パソコンや車などと違って機能の比較表で良し悪しが分からないのがソフトウェアです。機能上は同じ○だとしても、使い勝手が極悪だったり自社のニーズに合っていなかったりして、ないも同然ということも多くあります。

さらに言えば、機能が多ければ良いというものでもありません。無駄な機能をごてごて付けるよりも、本当に役立つ機能だけがシンプルに実装されているソフトの方がよっぽど役に立ちます。特にツール系は、ハサミや包丁と同じく使ってみないと良し悪しが分かりません。機能の多さではなく、“切れ味”だったり“使い勝手”だったりが大きな差になるのです。

かくしてツールベンダは「試用版」を提供して製品の良さを伝えようとします。しかし、これも万全ではありません。機能が豊富なソフトであればあるほど「試用版」を使いこなせず、かえって逆効果になる場合も出てくるので悩ましいのです。

そんなこんなで10月18日に行うSI Object Browserセミナーは、単なる機能紹介ではなく「ハンズオンセミナー」形式にしました。実は、既存ユーザーがほとんどで人数にも限りがあるので売上アップへの直接的貢献はないのですが、第1回目の参加者の満足度が非常に高かったので継続的に実施しようと思っています。

継続的にやるためには内容をより良く改善していかなければなりません。そのため前回に引き続いて今回も自ら講師をやります。ただし、前回はデータモデリングツールOBERの講師をやりましたが、今回はOBを担当します(コストの高い講師ですが…)。

ツールは「触ってなんぼ」です。参加者が実際にあれこれ操作して、「やっぱりすごく便利だ!」って口コミで広めてくれることが、“ソフトウェアの良さを伝える”急がば回れ的な手段となることを期待しています。

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梅田弘之の 「グラス片手にビジネスを考える」
~ 「掛け声だけでなく、具体的手段を講じ、結果を数値管理する大切さ」 ~
本日、上期の決算発表を行いました。売上は前年並みだったのですが、営業利益は創業来最高を更新でき、久しぶりに明るい発表となりました(あくまでも上期ベースですが)。

好調の原因は、筋肉質な体質を目指す「アスリート2010」計画が功を奏したからと分析しています。パッケージビジネスで陥りやすいのが、製品開発や営業・マーケティングに注力しているうちに販管費率が高くなってしまうミスです。当社はいつの間にかそんな体質になっていて、昨年は「いったいどうやったら利益が出るんだ」って思う事態に陥っていました。

体質改善は掛け声だけではできません。きちんと目標を定め、運動や食事制限など具体的施策を打ち出し、それを毎日実行し、グラフで改善度合いを毎月チェックする。遅まきながらこれを実行したので売上高販管費率を%削減でき、利益の出やすい体質になったと思っています。

もう1つはOBPMによるプロジェクト管理の徹底です。当社のパッケージはカスタマイズを含むソリューション型のものが多く、プロジェクト管理の徹底は長年の課題でした。OBPMにより遂に「脱Excel」が実現し、プロジェクト管理力が大幅にアップ。数値やグラフでだんだん良くなってゆく状況を実感できています。

上期はプロジェクトの失敗が激減し、平均利益率が大幅にアップしました。プロジェクトの成功率アップは、当社の利益アップだけでなくお客様の満足度向上にもなります。また、社員の健康管理やモチベーション向上にも良い影響が出ており、みんな一体感を持って仕事をしています。

これまで「ルック製造業!」と叫び、製造業の合理化を見習おうって言い続けてきました。でも、それがいかに掛け声だけだったのかを、今回の結果で思い知りました。まだ、半年たったばかりでこんなことを言うのは時期尚早だとは百も承知なのですが、今回、経営者として少し学べたような気がしています(下期もがんばります)。