#7 「ヒット製品の裏には誰かがいる」

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~ 「ヒット製品の裏には誰かがいる」 ~
2008年11月に発売した総合プロジェクト管理システム「SI Object Browser PM」が、かなりいい感じでいろいろな会社に導入が決まっています。もともと自社のプロジェクト管理力を抜本的に向上させようというのが開発のきっかけでしたが、同時にこの新分野がIT業界の近代化にもつながると考えて、思い切った投資をして開発した製品です。

11月から当社も「脱Excel」を実現して全員が使っており、部門ミーティングや経営会議も画面を写しながらやれる体制になりました。自ら設計に関わり、自分でテストもして、自社でも使う。そして自分自身で売りに回るという強い思い入れが、聞く人に伝わるのだろうと思っています。

ヒットする製品には、必ずその裏に誰かがいるというのが私の持論です。他社製品の場合でも、ひょっとした機会に「あ、この人がいたんだ」と分ります。子どもの成長を支える母親のように、四六時中その製品をどう売るか、どう改良すべきかなどを考えている人、そういう人がいる限りその製品は魂を持ち続けられるのでしょう。逆にその人がいなくなったとたんに製品の方向性がふらつき、成長が鈍化したりダッチロールすることもよくある話です。

もちろん、製品は1人で作ったわけではなく、いろいろな人たちの努力の結晶で出来たものです。だからこそ、その努力に報いるためにも、しばらく(製品が成人になるまで)はこの製品に情熱を注ぎ続けようと決意しています。

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梅田弘之の 「グラス片手にビジネスを考える」
~ 「エンジニアはコミュニティの中でたくましく成長する」 ~
昨年は社内に“ユーザビリティ・エンジニア”という職務を設けました。“ITの世界でもデザインが大事“と公言する人は(私も含めて)多いのですが、ならば実行に移そうと今更ながら決断したのです。社内公募の結果、若手2名が本職についてデザインの勉強やツールの使い方の習得を行いました。本人たちの前向きな努力もあって、最近では当社の新製品デザインやホームページ作成など幅広く活躍してもらっていて、この職務を設けて本当に良かったと思っています。

デザインからITを考えるビジネスマガジン「DESIGN IT!」という雑誌があります(リックテレコム社)。先日、編集長の方と当社ユーザビリティ・エンジニアとの情報交換の場があったのですが、「デザインの価値の定量化への試みや、他会社のUIへの取り組みなど、普段聞けない様なお話を聞くことができ、とても勉強になりましたし、楽しかったです。」というようにとても有意義だったようです。

そんなに有意義なら他の執筆者たちとも交流の場を設定したらどうかということで、今その実現に向けて調整しつつあります。エンジニアは“井の中の蛙”病になりやすいので、もっともっと外の人たちと交流すべきです。そして、その機会は与えられるものでなく、自ら積極的に出てゆかなければなりません(私の経験では“異業種交流会”より“同業種交流”の方が有意義でした)。

「エンジニアはコミュニティの中でたくましく成長する」と信じ、そういう風土を社内に作れればと思っています。