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梅田弘之の「グラス片手にビジネスを考える」
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~ ハイプ・サイクルに見るAIの活性状況 ~
ガートナー社が毎年発表しているハイプ・サイクルって知っていますか。これはある技術が登場したときに、どのような関心を持たれて社会に浸透するかを表した曲線で、その技術が今どういう状態にあるかを<黎明期>→<過度な期待のピーク期>→<幻滅期>→<啓発期>→<生産性の安定期>という5つの段階に分けて表しています。
昨年8月に公開された「先進テクノロジのハイプ・サイクル 2020年版」からAI関連技術をピックアップすると、<黎明期>に「AI拡張型設計」「自己教師あり学習」「敵対的生成ネットワーク」「アダプティブな機械学習」「コンポジットAI」「生成的AI」「責任あるAI」「AI拡張型開発」などの技術がずらっと並んでいます。
一方、<過度な期待のピーク期>は「組み込み型AI」「説明可能なAI」の2つで<幻滅期>は該当無し。AI技術が次々と湧き出ていて、世界ではまだまだAIが熱いって状況がひしひしと感じられます。
AIが社会のいろいろな分野で実用化されるに従い、2020年のAIは成熟度が増しています。人が教えるのではなく自律的に学べる「自己教師あり学習」や、運用や環境の変化に対応して自動的にモデルを適応させる「アダプティブな機械学習」などは運用が広まったならではのニーズです。また、AIの役割が重要になるに従い、どうしてそう判断したか理解できる「説明可能なAI」が求められ、「責任あるAI」のあり方も形になってきました。
国内のAIブームは去ってマンガやドラマにのみ登場する感があります。このままでは世界に大きく遅れを取ってしまいますので、ここが正念場と心して頑張っていきましょう。
・ガートナーの先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年
https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20200819