#166 EBPMを意識

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梅田弘之の「グラス片手にビジネスを考える」
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~EBPMを意識~

最近、EBPM(Evidence-Based Policymaking)という言葉を耳にするようになりました。日本語では「証拠にもとづく政策立案」で、一言でいうと「経験や勘ではなくデータにもとづいて政策判断しよう」というものです。

考え方自体は古くからあるのですが、オバマ政権でEBPMの取り組みが強化され、国際的に広がり、日本でも2018年に内閣府が推進する方針を打ち出して各府省庁に広げつつあります。

最初は医療の分野で生まれた考え方です。現代に当てはめると、ワクチン接種を進めるかどうか、蔓延防止策を解除するかなどの政策を決める際に、有識者の意見だけで判断するのではなくデータを比較分析した上で判断するという感じです。

ワクチン接種回数や年齢別などによる感染率や重症化率、死亡率、副作用発生率などのデータを分析することは、当然やっているはずです。それを公開して、だからこういう政策にしたと説明すれば、もう少し納得する人が増えるように思います。

企業もEBPMを意識して経営方針を決めるべきです。「トップの鶴の一声」や「声の大きい人」の口を封じるためにも「当社もEBPMを導入しよう」という方針を打ち出すといいかも知れません。その際、米国などのデータを調査して、EBPMで効果が上がったデータ(証拠)を提示する必要があるのは言わずもがなですが。