#189 寛容のパラドックス

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梅田弘之の「グラス片手にビジネスを考える」
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みなさんは「寛容のパラドックス(paradox of tolerance)」という言葉を聞いたことがありますか。これは1945年にカール・ポパーという方が発表したもので「もし社会が無制限に寛容であるならば、その社会は最終的には不寛容な人々によって寛容性が奪われる」というものです。

そのため、ポパー氏は「寛容な社会を維持するためには、不寛容に不寛容であらねばならない」と述べているのですが、最近、社会が不寛容になったと感じていたのでなるほどと合点しました。

社会という文字をひっくり返して会社に置き換えると「寛容な会社を維持するためには、不寛容に不寛容であらねばならない」ということになります。経営者は誰しも寛容な社風にしたいと思うわけですが、それを実現するためのヒントになりそうです。