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梅田弘之の「グラス片手にビジネスを考える」
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みなさんは、DEIと反DEIという言葉を知っていますか。
DEIは、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包摂性)の略で、「性別や国籍、考え方などの違いを尊重し、誰もが安心して参加・活躍できる社会」のことです。
すばらしい概念で、Google、Microsoft、Appleなど大手企業で取り組まれてきたのですが、ここにきて反DEIという動きが加速しています。背景にあるのは、トランプさん。民間企業によるDEI促進の停止を促す大統領令に署名し、関連部署の閉鎖も指示したそうです。
国それぞれで状況が違うので、安易に良し悪しを語ることはできません。でも、個人的にはこれまで築き上げてきたのにもったいないなぁと感じます。ただ、彼らの「行き過ぎたリベラルを是正する」という主張にも耳を傾けるものがあります。
例えばクオータ制についてどう思いますか。これはフランスやノルウェーなどで上場企業の取締役会の女性比率を40%以上にしなければならないという法律です。欧州を中心に採用されており、インドでも1人以上の女性取締役を義務付けしています。
白状すると、私も「女性の採用を増やすために、採用面接で女性に甘くしようか」と逡巡することが何度もありました。彼らはこのようなことを「逆差別」と主張しているわけです。
今、米国では反DEI旋風が吹いています。でも、やっぱりDEIは素晴らしいので、自分の信じる方針でやっていこうと思います。